エキスパンダーで「躍動感」のあるミックスをしよう!(笑)

どうも、マサシです(`・ω・´)

GW休暇が結構長いので、割と持て余しています(笑)
いやぁ…この間に1曲くらいは仕上げたいのですが…アレです、アレ…。
時間があり過ぎると、かえってやる気が無くなるアレです…www
せめて、ブログの更新くらいはしておかないと(使命感)

さて、前回に書いた「奥行き」のあるミックスをしてみよう!(笑)の記事が意外と好評だった様なので(笑)、調子に乗って、またミックス関連の話題に触れてみたいと思いますw
今回は、タイトルにある通り「エキスパンダー(Expander)」を使用したミックス・テクニックをご紹介させて頂きます!(`・ω・´)=3

エキスパンダー-2

はじめに

今回ご紹介させて頂くテクニックに関してですが…実は割と有名な手法です(笑)
かな~り昔から多用されていたテクニックですが、時代の変化・録音技術の著しい向上により、最近ではあまり使われていなかったり。
言い方が悪いですが、かなり古典的な手法ですw

なので、デジタル全盛期の今となってはオーパーツみたいなテクニック……は流石に言い過ぎですけど(笑)、別に使わなくても問題ありませんw
……が!!
かなり役に立つテクニックですので、覚えておいて損は無いですよ~(笑)



「エキスパンダー」とは?

そもそも「エキスパンダー」って何よ?という方の為に、簡単な説明をさせて頂きます。(既にご存じの方は、読み飛ばしてくださいw)
まず、【エキスパンダー】でググってみましょう!すると…

エキスパンダー(笑)

はい、出ました。
これがエキスパンダーです!

…と、定番のボケも炸裂したところで、真面目に話します(笑)
確かに↑の画像の器具も「エキスパンダー」で間違いはありませんが、DTMにおけるエキスパンダーとは当然違いますw
この辺が紛らわしいらしく、人によってはDTM用に「エ”ク”スパンダー」と呼んで差別化しているそうです。(ここでは「エキスパンダー」でいきますw)


●エキスパンダーの動作原理
エキスパンダーの存在は知っているけど、動作原理・使い方がよく分からない!…という方、意外と多いのではないでしょうか?
その御気持ち、よく分かります(笑)
僕も割と最近まで「エキスパンダー = 使い道が分からない謎エフェクト」と決め付けていましたwww
…そんな個人的なシンパシーは置いといて(ちょくちょく脱線するな…w)、動作原理を簡単にご説明致します。

アタック・リリース・スレッショルド・レシオ等のパラメータが並んでいるのを見るに、察しが付くと思いますが…そう、エキスパンダーの動作原理自体は、コンプレッサーと同じです。(一部、見慣れないパラメータもありますがw)
コンプレッサーと同じとなると、役割は音を圧縮する事になります。
そんな双方の違いは、圧縮する対象が真逆である事です。
コンプレッサーは「スレッショルド以上の音を圧縮」するのに対し、エキスパンダーは「スレッショルド以下の音を圧縮」します。
こうやって言葉にすると分かりにくいかもしれませんが(笑)…簡単に言うと「小さい音を、更に小さくする」エフェクトだと思ってくださいw
似たエフェクトで”ゲート(Gate)”が存在しますが…あいつは、エキスパンダーの兄弟です(笑)
動作原理等はエキスパンダーとまるっきり同じ(だと思うけど…w)ですが、レシオ(圧縮比率)の設定が1:∞に予め設定されているのが特徴です。

●使い道は?
「小さい音を、更に小さく」と聞くと、いまいち使い道が分からないかと思いますw
現代の音楽シーン(特にポップス・ロック系)では、音圧を稼いで派手に聴かせる事が重要視されているから、尚更…w
そんな時代の潮流によって、徐々に出番が無くなってきたエキスパンダーですが(笑)…昔は主にノイズ除去目的で大活躍していたそうです。
今みたいに録音技術が発展していない当時、録音をすると必ず「サー…」というホワイト・ノイズが乗ってしまうので、それを除去(軽減)する為の手段として、エキスパンダー(&ゲート)が使用されていたんですね。(低レベルのノイズを圧縮し、S/N比を高める)

…で、現代は録音技術も発達し、ほぼノイズ・レスで録音可能な環境になりました。
宅録でも、安価で高品質なオーディオI/Fが入手可能なので、よっぽどノイズには悩まされないでしょう。
ノイズ除去専用のプラグインなんかも続々登場し出して、かつてのノイズ除去の王様も今や「エキスパンダー(笑)」状態w

…一方、ゲートはEDM系で大活躍していたのだった(笑)
ゲートは、スレッショルド以下の音をブツ切りにする効果があるため、その独特な切れ味を活かし、ダンス・ミュージックのキック・スネア等の音作りに一役買っています。
対してエキスパンダーはと言うと……ゲートと比較して、ヌルい。
レシオをゲート同様1:∞に設定出来たとしても、それならゲート使えばいいじゃん?めんどいじゃん?…となってしまいがちで、いまいち、そっち(音作り)路線にも馴染めず…(笑)

しかし、光明はその「ヌルい切れ味」にあるのです!w
前置きがやたら長くなりましたが(笑)…そう、エキスパンダーの利点は、切れ味が良過ぎない事
ゲートほどバッツンバッツンの音になりにくい為、元音のニュアンスを残しつつダイナミクスを補強・修復する事が容易です。
とりわけ、生音主体の楽曲との相性が非常に良く、曲のグルーヴ感を向上させる効果が期待出来ます
細かい設定が可能なので、柔軟に対応出来る点も魅力ですね。

…トランジェント・プロセッサー?
え?何?聞こえない。


●ゲートとエキスパンダーの違いを、音で覚えよう!(笑)
ゲートとエキスパンダーの違いを知って頂くため、簡単なデモ音源を作ってみましたw
ドラムキット全体に対して、ゲート&エキスパンダーを掛けています。
アタック・リリース・スレッショルド・レンジといった共通パラメータは統一しています。
レシオは、【ゲート → 1:∞(強制)】に対し、【エキスパンダー → 1:2】に設定。

●デフォルト


↓ エキスパンダー&ゲートをインサート

●エキスパンダー


●ゲート



結構深く掛けたつもりでしたが…ちょっと効果が分かり難いかもしれません(笑)
キックのタイミング・押し出し感に注目して聴いてみると、変化が分かり易いと思いますw
エキスパンダーの方は、余韻が減少&アタック感が強調されて、タイトなリズムになっているのがお分かりでしょうか?
ゲートはというと…こちらは、リズム自体がデフォルトと違う様に聴こえますw

普段はこうやってドラムキット丸ごとエキスパンダー&ゲートをかます事は無く、キック・スネア・ハイハット…とそれぞれ個別に使います。
その方が、調整が上手くいきますよ(笑)


エキスパンダーで「躍動感」のあるミックスをしよう!(笑)

はい、では…長ったらしい説明が済んだ所で、ようやく本題に入ります(苦笑)
これから紹介するテクニックについては、↑で書いた「エキスパンダーの利点」を見て頂いた時点で察しが付くかもしれませんw
そう!全トラックにエキスパンダーを挿すのです!(笑)
地味に面倒くさい作業ですが、最終的な仕上がりがかなり変わるんですよ、これ!w
細かい設定等は後程にするとして、まずは「エキスパンダー無しのミックス」と「全トラックにエキスパンダーを挿した状態」を比較音源をご用意しましたので、それを聴いて頂き、効果の程を感じてみてください(笑)
…久々にエレキ引っ張り出して録音したのですが、いい加減、弦を交換しないと…(苦笑)

●デフォルト(エキスパンダー無し)


↓ 全トラックに、エキスパンダーをインサート。(ドラムは面倒だったので、纏めて掛けましたw)

●エキスパンダーあり



いかがでしょう?
今回のは結構変化が分かり易いかと思いますw
エキスパンダー無しとありでは、躍動感…というよりも、音の輪郭・粒立ちがハッキリと違います。
ノイズ除去の効果もあってか、S/N比が良くなった様にも感じられますね。
それに伴い、リバーブ等の空間系エフェクトの「乗り」も良くなり、奥行きを認識しやすくなりました。

…とまぁ、この手法は実にメリットが多いのです(笑)
今回の曲はリズム重視でしたが、そうでないバラード系楽曲に対しても、設定次第では非常に有効だったりしますw
単純にノイズ量を減らすだけでも結構な変化があるので…是非、お試しあれw


●エキスパンダーの設定について
「エキスパンダーの設定とかよく分からんし、全トラックなんて面倒臭すぎる…」という方の為に、オススメ設定&手順をご紹介させて頂きます(笑)


◎手順&パラメータ設定

①どれか一つのトラックに、エキスパンダーをインサートします。(この手法を用いる場合、エフェクト最上段にエキスパンダーを挿すのが定番らしいですw)

②各パラメータを設定します。(下記はオススメ汎用設定)
・レンジ(Range) = -40~-60db
・レシオ = 1:2~3
・アタック = 最速(0msecよりも、少しだけ残しておいた方が良いかも?)
・リリース = 500msec辺り
・スレッショルド = ひとまずノータッチ(笑)


③その状態の物を、全トラックにコピペします。

④掛かり具合を見ながら(聴きながら)、スレッショルドを調整します。

⑤ 糸 冬 わ り


このパラメータ設定では、入力信号がスレッショルドを下回った時、緩やかにエキスパンダーが動作します。(切れ方がヌルい設定)
なので、スッパンスッパンと小気味良い掛かり方はしないものの(笑)、元音のイメージを壊しにくく、それでいて、程良くエキスパンダー効果を感じられる設定です。
もっと切れ味を良くしたい場合、リリースを早めたり・レシオを上げる事で切れ味が良くなります。
とりあえず、この設定で色々と試しながら微調整を行い、エキスパンダーの使い方に慣れていくのが理想的…というか、僕はそうしてきたので、同じようにやればよっぽど変な事にはならないと思いますw


●注意点
S/N比は上がる(ノイズは少なくなる)わ、躍動感が増すわ、エキスパンダー使えると「通」っぽいわ…と、メリットばかりに思えますが(笑)、もちろん注意点(デメリット?)もあります。


・注意点①「アタックの制御が、(やや)難しくなる」
エキスパンダーを使用すると、アタック成分が強くなります。
その為、後段に挿すコンプでしっかりとアタックを叩いておかないと、色々と大変だったり…w
何だかいたちごっこに思えますが(笑)、エキスパンダーで作った躍動感はコンプである程度叩いても維持されますので、可能な限りピークを叩いておきましょう。

・注意点②「余韻を切り過ぎると、雰囲気を損なう恐れがある」
エキスパンダーはアタックを強調する…というか、余韻を圧縮して小さくするエフェクトです(笑)
適度な余韻圧縮は楽曲に躍動感を与えますが、ンギモッヂイィ!とばかりに切り過ぎると、どんどんドライなサウンドになってしまいますw
それが意図した物ならともかく、出来る限り元のイメージを大切にし、適度に掛けましょう。
特に、ドラムのアンビエンス・オーバーヘッド等の扱いには注意!

・注意点③「無い物ねだりは命取り(戒め)」
「ミックスが~…うんたらかんたら」と言う前に…そもそも、打ち込みはある程度出来ているでしょうか?(笑)
このテクニックは元々のアレンジがそれなりに出来ていないと、効果が薄いです。
これは極端な例ですが、「ベロシティーガン無視のベタ打ち音源」をエキスパンダーで躍動感云々!と言われても無理があります(苦笑)
「アタック感?んなものねぇよ!」な音源は、まず打ち込みの段階から手直しした方が手っ取り早いですw


…まぁ、エキスパンダーに限らず、どんなエフェクトも言える事ですが「やり過ぎ注意!」と言いたかっただけです(笑)
打ち込み段階でイマイチ出来ていない方は、ミックスでどうにかしようとせず、しっかりと(ただし、過度にならない程度に)強弱のある打ち込みから始めましょう。

●おまけ(笑)
・意外とイケる!?「リバーブ + エキスパンダー」
ホール系やチェンバー系のリバーブを深く掛けたい!…けど、所々残響が邪魔になるんだよなぁ…(´・ω・`)
…なんて時、ありませんか?僕はよくあります(笑)
そこでふと思った…。「リバーブが小さくなる所は、エキスパンダーで切っちゃえばよくね?」と…w
という事で、試しにやってみました(笑)

●このミックス状態に…


↓ リバーブのセンド・バスに、エキスパンダーをインサート!(各トラックの送り量はノータッチ)

●…したら、こうなった(笑)


…ん?ちょっと違和感があるけど…イケるやんっ!www
「ゲート・リバーブ」っていう80年代に流行ったサウンドがあるのですが、それの亜種みたいな感じですねw
”リズムのもたつき”が無くなって、よりタイトなサウンドになりました。
アタックが強い箇所のリバーブが強調され、独特な響きでカッコいい…!(笑)
ただし、この手法は扱いが難しいので、今後使う際には気を付けようと思いますw


・おすすめのエキスパンダー(プラグイン限定)
エキスパンダーにもキャラクターが(当然)あります。
パッツンパッツンになる物・比較的ナチュラルな物…プラグインによって様々ですが、個人的に「イイぞ~、これ^^」と思った物をご紹介します(笑)

・デジタル系エキスパンダー
●Sonnox 『Oxford DYNAMICS』
超定番(マサシの脳内では)。とにかく多機能&無着色で扱いやすい。
「やれやれ。」そう呟くと、僕はOxford DYNAMICSを挿していた。

oxford-dynamics.jpg


●WAVES 『C1』
地味に人気の、定番中の定番コンプレッサー/ゲート&エキスパンダー。
微妙に小馬鹿にされてて気の毒だが(笑)、その硬質な音は意外と代替品がなかったり。

C12.jpg


●Flux:: 『Pure Expander』
現時点でのマサシ脳内ランキングで、No.1のエキスパンダー。
超多機能&高音質設計で、他のデジタル系エキスパンダーとは一線を画す印象。(絶賛)
ただし、多機能過ぎるので、扱いには慣れが必要…(笑)

flux_pure_expander_ii.jpg



・アナログ系エキスパンダー
●WAVES 『SSL 4000 Collection(E-Channnel & G-Channnel)』
SSLの卓上に装備されているチャンネル・ストリップ…の中のエキスパンダー、のモデリング(笑)
パラメータは少ないものの、SSL特有のモッチリした切れ味が魅力的。
E‐Channnelはモッチリ豊か、G-Channelはトーンが明るめで歯切れの良いサウンドが特徴。
ss_e-channel1-horz.jpg

●Softube 『Valley People Dyna-mite』
かなり独特なダイナミクス・ツール。
リミッター/エキスパンダー&ゲート/ディエッサ―と色々とこなせ、一見便利そうだが…実はかなりの曲者(笑)
扱いは難しく、リミッター用途ではちょっとアレだが(笑)、エキスパンダー&ゲートに関しては、他には無い特徴的なアタック感が素晴らしい。
流石はSoftube…。(Softube信者)


Softube-Valley-People-Dyna-mite.jpg


・特殊系エキスパンダー(?)
●WAVES 『NS1 Noise Suppressor』
こちらのブログでも紹介した、お手軽ノイズ除去プラグイン。
パッと聞き、関係無さそうだが…動作的にはほぼエキスパンダーである(笑)
例えるなら「ノイズ除去に特化したエキスパンダー」みたいな感じで、各トラックに軽くこいつを噛ますだけで躍動感・ノイズ除去効果が得られる。
猿でも分かる簡単操作(笑)&視認性の高さも相まって、非常に使い勝手が良い。
マジでオススメです!w

ns1-noise-suppressor.jpg





以上、エキスパンダーを使用したミックス・テクニックのご紹介でした。

始めに話した通り、元々この手法はS/N比を改善する為に考案された物ですので、現代のDTM環境ではあまり縁が無い…というのか、ぶっちゃけ必要無かったりします(笑)
しかし、昔とは趣向を変えつつ、こうして現代にも受け継がれている技です。
う~ん…何か、ロマンを感じますねw
「いまいち躍動感が足りない」「全体的にボヤボヤしている」「単純に音質が…^^;」といった問題にお悩みの方に、この記事が少しでも役に立てたならば、幸いです(笑)


それでは、最後まで読んで頂き、ありがとうございましたm(__)m


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2 Comments

旋律の錬金術師 says...""
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております。
すげえ参考になりました。自分はノイズ除去は無条件でゲートを使っていたので「どんなもんかな?」と思いやってみたところツボにはまりました。
また注意点として挙げてくれてた部分に助けられました。躍動感出るのはいいんですがアタックはちょっと厄介ですね。
おすすめのエキスパンダーの中で唯一所有しているC1で行いましたが.こうなってくると脳内一位のPure Expanderが欲しくなってきます。(笑)
Fluxはエリクサーしか持ってないもので。(笑)
2014.05.18 06:28 | URL | #- [edit]
マサシ says..."Re: タイトルなし"
>旋律の錬金術師さん

はじめまして!
コメント、ありがとうございます!(^ω^)

この手法、意外とイケますよねw
ノイズ除去からトランジェント操作までこなせる、一石二鳥のテクニックです(笑)
確かにアタック制御が若干難しくなりますが、それを差し引いても有効な手法だと思いますw

ここに挙げたおすすめエキスパンダーの中で、最も柔軟性が高いのはやっぱりPure Expanderですね。
アタック感の操作も緩め~硬めまで様々に対応出来ますし、地味にMS処理対応なのも嬉しいですw
やっぱり、Fluxのプラグインは良いですよ~!
IRCAMシリーズ以外、Alchemistを除いて全て持っていますが、最早Flux無しでは微妙に困る位に依存しています(笑)

個人的には、Valley Peple Dyna-miteの出音・躍動感がとても好きですね。
…が、最近のセールで買い逃してしまいました(苦笑)
今度のセールでは確実にゲットせねば…!w
2014.05.18 13:22 | URL | #- [edit]

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